toko-gama / ja


目次

陶幸窯

profile

市野翔太(いちのしょうた) 

profile

市野翔太(いちのしょうた) 

五代目
生まれ年:1990年
作陶開始年:2014年

学歴・修行歴
京都府立陶工高等技術専門校 卒業 
京都市産業技術研究所 陶磁器コース 

The state of the workshop

スクロールできます

prev
next

Works

撮影:青谷 建

Interview

釉薬の流動に魅せられて。土と色彩の可能性を追い求める陶幸窯・市野翔太の探究心 

偶然と必然のあいだがうつわに生み出す、釉薬の表情

ギャラリーに並ぶうつわたちは、どれひとつとして同じものはなく、多彩な色彩を放ちながら静かに使い手との出会いを待っている。

黒金釉の鉢は、光の当たり方で金や黒へと優美に色を変化させる。白い釉薬が茶色い釉薬の上を流れる皿は、まるでオーロラのように見る角度によって色も光り方も異なる。また、表面に溝を彫るしのぎのうつわでは、その凹凸を伝って流れる釉薬が、一瞬の動きを止めたような造形美を見せる。 

うつわがまとう釉薬の表情は、まるで生命が宿っているような穏やかな躍動感がある。これこそ、陶幸窯の若き陶工・市野翔太さん(以下、翔太さん)が追求する、釉薬の色彩と流動の世界だ。 

翔太さんの関心は、丹波焼の土をベースにしながらも常に釉薬の可能性に向けられている。京都で学んだ2年を経て、土と釉薬の関係、焼成条件について基礎を固めた。現在は釉薬の濃度調整を自ら行い、思い描いた表情を引き出す。 

「土によって発色が変わるんです。白土、赤土、丹波の茶褐色の土では同じ釉薬でも全く異なる色味になる。特に透明系の釉薬は素地の色に左右されやすく、茶色の土では暗い印象になりがちです。そのため、明るい発色になるように調合を工夫しています」 

「古風」から「自由」へ。色彩との出会いが開いた扉 

窯元を家業とする環境で育った翔太さんにとって、やきものは「当たり前にあるもの」だった。 

「伝統的な丹波焼は白や黒が主流で、当時はどこか古風なものというイメージを持っていました」 

工房の外に乾燥中のうつわが整然と並ぶ光景は、日常の一部だった。サッカーに明け暮れた少年時代、誤ってボールを当ててしまいうつわを壊してしまったこともあったと、翔太さんは苦笑まじりに振り返る。

高校卒業後、家業の手伝いを始めたものの、当初は跡を継ぐという明確な意志は持っていなかった。「他にやりたいことができれば、そちらを選ぼう」。そんな心境でいた翔太さんの転機となったのは、丹波の若手陶工集団「グループ窯」との出会いだった。 

「先輩の作品展を見に行った時に、こんな自由な表現があるのかと。いちばん驚いたのは、赤。鮮やかな色に心が大きく動きました」 

「古風なやきもの」というイメージが、一気に「自由な表現」へと変わった。 

「自分なりの表現を追求したい」。そう意気込んだ翔太さんは、25歳で京都の学校へ。陶芸と釉薬の勉強を2年間積み重ねて、基本的な知識と技術を身につけた。 

「理論を知ることで、思い描いた表現を少しずつ形にできるようになりました。知れば知るほど可能性が広がり、やきものの奥深さに惹き込まれていきましたね」 

創作を楽しみ、使い手の自由を想像する

「まずは自分の感性で『カッコいい』『使ってみたい』と思えるうつわを。そこに土地の特性をどう取り入れるかを考えながら制作しています」 

翔太さんが主に作るのは、マグカップや皿、酒器といった日常使いの器だ。釉薬の見た目の表情だけでなく、扱いやすさ、手触り、持ちやすさといった実用性も意識している。けれど、使い手に特定のルールを強いることはない。 

「飯碗として作ったうつわに、煮物やサラダを盛り付けていただいてもオッケーです。使い方は自由であってほしいですね」 

顧客との対話から伝統技法を再発見することもあれば、地元の作家仲間から刺激を受けることもある。愛好家の声に耳を傾け、それを自身の制作にフィードバックさせる過程そのものを、翔太さんは楽しんでいる。

作陶を離れれば、サッカー観戦やお笑い番組でリフレッシュする。「好きなことに没頭して、やきもののことは忘れます」と控えめに笑う姿は、等身大の若者そのものだ。

「丹波のおすすめですか? 10月に旬を迎える丹波篠山の黒枝豆は絶品です。ぜひ現地で味わってほしいですね」 

立杭の地に根ざし、「市野翔太」らしい丹波焼の形を求めて。土と色彩の探究は、これからも続いていく。 

Overview
of

陶幸窯

Address

〒669-2135 兵庫県丹波篠山市今田町上立杭2-5

Website

陶芸教室

初めての方でも楽しんでいただける陶芸教室です。
ご家族・友達同士・カップルで楽しく陶芸体験。

体験可能日:水曜日を除く全日

受付時間:10時~15時

予約:必要(2名様から受付可)

当日受付:お問い合わせください

<粘土細工>

・所要時間 約60分

・大人1名様 3,500円(土1㎏で2点まで)
 小人1名様1,500円(小学6年以下)(土0.5㎏で1点まで)

・受入人数(最大):10名

・仕上り日数:30~45日

※釉薬は5種類の中から選んでいただけます

<電動ロクロ>

・所要時間 約60分

・料金 4,500円

・受入人数(最大):7名

・仕上り日数:30~45日

※釉薬は5種類の中から選んでいただけます

目次