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夢工房

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大上磯松(おおがみいそまつ) 

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大上磯松(おおがみいそまつ) 

大上家十三代目 
創業五代目(磯右衛門より) 
生まれ年:1955年
作陶開始年:1978年

学歴・修行歴
麗澤大学外国語学部中国語学科 卒業 
大上昇氏に師事(昇陽窯) 

The state of the workshop

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Works

撮影:青谷 建

Interview

家業を支えた工場を閉鎖→ログハウスの陶芸教室に。丹波焼のあり方を更新し続ける夢工房・大上磯松 

slow days, gentle wares 〜やさしい朝と、落ち着く夜に寄り添ううつわ 

県道292号沿いに、ひときわ温かみのあるログハウスが目に飛び込んでくる。ここは大上磯松さん(以下、磯松さん)が代表を務める「夢工房」だ。江戸時代から続く大上家の13代目であり、窯元としては5代目の磯右衛門から続く9代目当主として歴史を守る。 

「私は、作家というより職人ですね」 

磯松さんは、日常でいかに使いやすいかにこだわって作陶する。かつては登り窯や穴窯で古丹波の再現に取り組み、予想できない表情が生まれる瞬間に感動を覚えてきた。現在は暮らしになじむ食器花器酒器を中心に制作する。手に取った人が「使いやすい」「丈夫だ」と感じるうつわを追求した結果だ。 

「バランスの取れたかっこいいもの。なによりも使い勝手がいいことがいちばんです。ティーカップ一つとっても、持ちやすさや重さのバランスを考えます。どんなにフォルムが良くても、使いにくければ意味がない」  

職人としての矜持を持つ。収縮率が大きく変形しやすい丹波の土と向き合いながら、伝統を守りつつ、現代の暮らしに寄り添う「用の美」を日々突きつめている。 

家を支えた大量生産工場の記憶。時代に合わせた家業の改革 

磯松さんが子どもの頃の記憶、それは父が経営していた大上製陶所での風景だ。当時従業員を20名近く。特に印象深いのが、うつわが天日干しされている光景。酒樽など石膏型で成形された同じ形のうつわが、広い敷地一面にずらりと、すきまなく整然と並べられていた。 

この光景が目に入ると、磯松少年は近づかないように気をつけていたという。同時に、丹波立杭ではめずらしい“大量生産の工場”だった。 

「学校から帰って、工場で働く人たちによく遊んでもらいました。冬は休憩時間にストーブの上で酒粕のうえに砂糖をかけて焼いて、みんな一緒に食べて、わいわいとおしゃべりしていました」

中学卒業後は千葉県の全寮制高校に入学し、外国語学部での大学生活と合計7年間立杭を離れた。家業に戻ると、時代の波に翻弄され家業は経営不振に悩まされていたという。 

現実を直視した磯松さんは家業を継ぎながらも大量生産ではないろくろや化粧がけなど一連の技術を身につけるため、昇陽窯で3年間の修業を積む。その後、大上製陶所とは別に自身の作品を作る陶泉窯を立ち上げた。

他方で、磯松さんは宝塚市の商業施設に陶芸教室の講師としても活動する。そこで土に触れる生徒の喜ぶ姿を間近に見ることで、産地でも陶芸教室をやろうと決意する。

「会社の規模を縮小し、二度の改革を行いました。2000年に工場を閉鎖し、ログハウスを建てて陶芸教室を主とするサロン『夢工房』をオープンしました。当初は200人ほどの生徒が集まりました」 

経営的な視点から「大量生産の工場」から「自身の創作と陶芸体験」へと、時代に合わせたやり方に切り替えた。 

その後市会議員も務めるなど、陶芸の枠を超えて地域に貢献してきた稀有な経歴の持ち主でもある。 

試行錯誤してつなげた丹波焼を、次世代へ 

「実は、10年間サラリーマンをしていた息子が『後を継ぐ』と言い出したんです。まさに青天の霹靂でした」 

磯松さんは、自身の代で家業を終えるつもりだった。設備投資も控え、夫婦で静かに維持していこうと考えていた矢先の出来事だった。30代で退職した後京都で一から学んでいるという。今後の構想もたくさんあるそうで、息子夫婦の活動を見守っていくつもりだ。 

「正直な気持ち、親の立場として心配ではあります。でも周りはみんな『戻ってきてくれてよかったね』と言ってくれて。孫の名前にも、家系代々受け継がれている『磯』の字をつけて、家の歴史を大切に思ってくれているんだなと感じましたね」 

現在は、陶芸教室のかたわら日常に溶け込む作品を作りつつ、その合間にゴルフでリフレッシュするという磯松さん。 

立杭の地を訪れる人々には、「兵庫陶芸美術館とセットで、この地域の窯元を巡ってほしい」と語る。各窯元が特色を持ち、お互いを紹介し合えるようなあたたかな産地でありたいと願っている。 

Overview
of

夢工房

Address

〒669-2141 兵庫県丹波篠山市今田町下立杭172

TEL

079-597-2002

FAX

079-597-3212

Website

陶芸教室

お客様の要望にそって一緒に作っていきましょう。
沢山の釉薬を揃えています。
体験可能日:水・木曜日定休日(予約があれば体験可能)
受付時間:10時~16時
予約:必要
当日受付:可能

<粘土細工>60分/土1㎏につき、1名様2,000円
・受入人数(最大):10名
・仕上り日数:約40日
※10種類の見本釉薬から選んでいただけます

<電動ロクロ>60分/土1㎏につき、1名様3,000円
・受入人数(最大):5名
・仕上り日数:約40日
※10種類の見本釉薬から選んでいただけます

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